Spectre x360 16-aaレビュー

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Spectre x360 16-aaは、パネル部分を360度回転させて、4つのスタイルで利用できる2-in-1タイプの16インチノートPC

HPの最上位シリーズであるSpectreシリーズに属しています(→Spectreシリーズの一覧)。

Spectre x360 16-aaレビュー

【プロモーション/貸出機材提供:株式会社日本HP】

【HPノートPCシリーズ一覧】
シリーズ 性能 特徴
★Spectre  高





先進テクノロジーを搭載しつつ、高級感のあるデザインを備えた、HPノートPCの最上位シリーズ。
ENVY スタイリッシュなデザインに仕上げつつ、Spectreよりもお手頃感を出したプレミアムノートPC。
Pavilion カジュアルなデザインで、コスパを重視したスタンダードノートPC。
HP シンプルなデザインで価格を最重要視したエントリノートPC。

Spectre x360 16-aaの主な特徴は次のとおり。

  • 16インチディスプレイ搭載
  • 2-in-1タイプのノートPC
  • インテルCore Ultraプロセッサ搭載
  • NVIDIA GeForce RTX4050グラフィックス搭載モデル選択可能
  • 2.8Kの高精細なOLEDパネル搭載

メーカーからSpectre x360 16-aaをお借りすることができたので、ここではSpectre x360 16-aaの特徴・スペック・パフォーマンス等について詳しく解説します。

【参考】HP Spectre x360 16-aaレビュー動画

HP Spectre x360 16-aaのレビュー動画をYouTubeにアップしています。

*ここに記載されているスペック・構成・価格は記事執筆時点のものです。最新情報については必ずHP Webサイトでご確認ください。レビュー機はメーカーの貸出機です。

【レビュー機のスペック】
インテル Core Ultra7 155Hプロセッサ/32GBメモリ/1 TB SSD/NVIDIA GeForce RTX4050グラフィックス
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1)洗練されたデザイン

Spectre x360 16-aaのカラーリングはアッシュブラック。

モデル名に「アッシュ(灰)」が付いていることからわかるとおり、真っ黒という感じではなく、見る角度や光の当たり方によっては、ちょっと茶色っぽい感じに見えます(個人的感想です)。

こちらは先代モデルのSpectre x360-16-fの実機写真。先代モデルは側面部にゴールドのラインが入っていますが、

本モデルには入っていません。

天板部にはアルミを用いており、高い質感を実現していますね。光が当たったところの反射が非常に綺麗。上質なイメージを醸し出しており、高級感があります。

ボディの両側の角が斜めに切りとられたエッジの効いたデザインを採用しています。

パネルを開くと、切り込みが入ったような状態になります。

なかなか他のモデルでは見かけることのない、すごく特徴的なデザインですね。

本モデルの天板部には、上位モデルで使用されるプレミアムロゴを採用。 よりスタイリッシュな感じを演出しています。

背面部のヒンジにさりげなく「SPECTRE」のロゴを配置

天板部を触ると非常にすべすべしており、触っていて心地いいです。指紋や汚れもそれほど目立たちません。

キーボードの周囲/

底面部も天板部と同じカラーリングを採用。

ボディの堅牢性が極めて高く、鋼のように硬いので、 片手で持っても、たわみ等はほとんど感じないです。

2)4つのスタイルで利用可能な2-in-1ノートPC

Spectre x360 16-aaは、パネルを360度回転できる2-in-1タイプのノートPCです。

状況に合わせて、ノートブック/スタンド/テント/タブレットの4つのスタイルで利用できます。

ノートブックスタイル。一般的なクラムシェル型ノートPCと同じように使うことができます。4つのスタイルの中で、唯一キーボードを使うことが可能。

スタンドスタイル。画面との距離が近いので、指で操作しやすい、迫力ある動画を楽しめる、というメリットがあります。

テントスタイル。4つのスタイルの中で、設置面積が最も少ないので、狭い場所で使いたいときに便利。

タブレットスタイル。

タブレットのように使うことができますが、重量が2kg近くあるため、片手でずっと持っているのは難しいと思います。膝や机の上に置いて使うことになるでしょう。

もちろん表示の縦横回転機能も搭載しています。

3)16インチノートPC

本モデルは16インチという大きめのパネルを搭載した2-in-1ノートPC。

厚さは約19.8mm。すごくスリム、とういわけではないですが、掴みやすい厚さです。

重量は約2.012kg(実測値)。

2-in-1タイプのため、ちょっと重めですが、 バランスがよく、掴みやすいせいか、個人的には すごく重い印象は受けないですね。

普段は据え置きタイプとして家の中で使用し、必要時にはがんばって持ち出す、という使い方になると思います。

同時に発表された14インチパネル搭載のSpectre x360 14-euがイベントに展示されていたので横に並べてみました。上の画像の右がSpectre x360 16-aaです。

→参考:Spectre x360 14-euレビュー

こうして比べてみると、16インチパネルの大きさがよくわかりますね。

キーボード面については、キーボードの左右のスピーカーの穴がSpectre x360 16-aaの方が大きめです。

16インチノートPCということで、ボディは結構大きめですが、ビジネスバックからは出口部分でほとんど引っかかることなくスムーズに出し入れできました。

デイパックからの出し入れもそれほどストレスを感じません。

4)スペックをチェック

Spectre x360 16-aaの主なスペックをチェックしてみましょう。同時に発売された14インチパネル搭載のSpectre x360 14-euのスペックと比較してみました。

→参考:Spectre x360 14-euレビュー

機種名 【参考】Spectre x360 14-eu Spectre x360 16-aa
カラーリング アッシュブラック アッシュブラック
ディスプレイ 14.0インチ・2.8K ブライトビュー・OLEDタッチディスプレイ (2880×1800 / 16:10 / 400nit / DCI-P3 100% / 120Hz) ※アンチリフレクションコーティング仕様 16.0インチ・2.8K ブライトビュー・OLEDタッチディスプレイ (2880×1800 / 16:10 / 400nit / DCI-P3 100% / 120Hz) ※アンチリフレクションコーティング仕様
CPU インテル Core Ultra 5 125Hプロセッサ/
インテル Core Ultra 7 155Hプロセッサ
インテル Core Ultra 7 155Hプロセッサ
メモリ 16GB オンボード (6400MHz, LPDDR5x)/
32GB オンボード (6400MHz, LPDDR5x)
16GB オンボード (6400MHz, LPDDR5x)/
32GB オンボード (6400MHz, LPDDR5x)
ストレージ 512GB SSD (PCIe Gen4x4 NVMe M.2)/
1TB SSD (PCIe Gen4x4 NVMe M.2)
512GB SSD (PCIe Gen4x4 NVMe M.2)/
1TB SSD (PCIe Gen4x4 NVMe M.2)
光学ドライブ - -
グラフィックス Intel Arcグラフィクス(CPU内蔵) Intel Arcグラフィクス(CPU内蔵)/
NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop GPU (6GB (GDDR6) )
カメラ HP Wide Vision 9MP IR カメラ (約900万画素) HP Wide Vision 9MP IR カメラ (約900万画素)
端子類 2 × Thunderbolt4 with USB4 Type C 40Gbps (USB Power Delivery, DisplayPort 2.1, HP Sleep and Charge)/
1 × USB Type A 10Gbps (HP Sleep and Charge)/
ヘッドフォン出力 マイク入力コンボポート
HDMI 2.1 出力端子/
2 × Thunderbolt4 with USB4 Type C 40Gbps (USB Power Delivery, DisplayPort 1.4, HP Sleep and Charge)/
1 × SuperSpeed USB Type A 10Gbps (HP Sleep and Charge)/
ヘッドフォン出力 マイク入力コンボポート
付属品 HP MPP アクティブペン ブラック HP MPP アクティブペン ブラック
寸法 約 313 × 220 × 16.9 mm(最薄部) 約 356 × 245 × 19.8 mm
重量 約1.44kg 約2.07kg

CPU

CPUには、Core Ultra 7 155Hプロセッサ 搭載モデルを選択できます。Core Ultraプロセッサは、省電力を実現しているほか、CPU内蔵グラフィックスとしてインテルArcグラフィックスを採用しており、描画処理能力を高めています。またNPU AIエンジンを搭載しています。

CPU インテルCore Ultra 7 155H 
コアの数 16
Performance-coresの数:6
Efficient-coresの数:8
低消費電力 Efficient-core数:2
スレッドの数 22
ターボ・ブースト利用時の最大周波数 4.80GHz
キャッシュ 24MB
NPU
【インテルCore Ultraプロセッサ】
インテルCore Ultra 性能 特徴
★Hシリーズ



高性能ノートPC向け/性能重視
Uシリーズ
スリムノートPC向け/消費電力重視

Core Ultraプロセッサの種類として、高性能マシンに搭載される「Hシリーズ」、スリムタイプのPC向けの「Uシリーズ」の2つが挙げられます。本モデルには「Hシリーズ」を採用。

レビュー機には、インテルCore Ultra 7 155Hプロセッサを搭載。

メモリ

メモリは16/32GB搭載モデルを選択可能。オンボードタイプのため、購入後に増設・交換することはできません。ネットを見たり、動画を再生したりといった一般的なタスクであれば、16GBでも十分だと思いますが、負荷のかかるタスクを快適に処理したいなら、32GBメモリ搭載モデルを選ぶのもありだと思います。

レビュー機には32GBメモリを登載。

ストレージ

ストレージは高速アクセス可能なSSDを搭載。512GB or 1TBの容量を搭載したモデルを選べます。

レビュー機には1TBSSDを搭載。

ちなみに、レビュー機を使い始めたときのストレージの空き領域は883GBでした(空き領域は、マシン構成等によって異なる可能性あるので参考程度にしてください)。

グラフィックス

グラフィックスはCPU内蔵タイプのIntel ArcグラフィックスまたはNVIDIA GeForce RTX 4050グラフィックス搭載モデルを選べます。

「Intel Arc」という名前は、以前はインテルの独立タイプのグラフィックスに付けられていたのですが、新しいCore Ultraプロセッサの内蔵グラフィックスにも使われるようになりました。インテル担当者によると、従来のCPU内蔵グラフィックスと比べて、描画処理能力がアップしているそうです。

NVIDIA GeForce RTX 4050グラフィックス搭載モデルが用意されているので、動画/画像編集、ゲームなど描画処理能力を重視する人も利用可能です。レビュー機にはNVIDIA GeForce RTX 4050グラフィックスを搭載。

5)パッケージをチェック

Spectre x360 16-aaのパッケージ別のスペックは次のとおり。

モデル名 パフォーマンスモデル パフォーマンスプラスモデル
CPU インテル Core Ultra 7 プロセッサ 155H
メモリ 16GBオンボード 32GBオンボード
ストレージ 512GB SSD 1TB SSD
グラフィックス Intel Arc(CPU内蔵) NVIDIA GeForce RTX 4050
希望販売価格 339,900円~ 429,000円~

割引き後価格

【快適パソコンライフ】
249,800円~
【快適パソコンライフ】
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パフォーマンスモデル/パフォーマンスプラスモデルの2つのモデルが用意されています。スペックが異なるのはメモリ容量/ストレージ容量/グラフィックスの種類です。

性能重視であれば、NVIDIA GeForce RTX4050グラフィックスを搭載したパフォーマンスプラスモデルがオススメです。

6)パフォーマンスをチェック

Spectre x360 16-aaのパフォーマンスをチェックしてみました。レビュー機のスペックは次のとおり。上位モデルのパフォーマンスプラスモデルです。

【 パフォーマンスプラスモデル】

インテル Core Ultra7 155Hプロセッサ/32GBメモリ/1 TB SSD/NVIDIA GeForce RTX4050グラフィックス

CINEBENCHでCPUのスコアを計測。

CPU CINEBENCH R23のCPU(マルチコア)のスコア
インテルCore i7-13700H 13494pts
インテルCore i7-12700H 13285pts
インテルCore i5-12500H 12376pts
インテルCore Ultra 7 155H 11857pts
インテルCore Ultra 7 155H(レビュー機) 10865pts
インテルCore i7 1360P 9651pts
インテルCore Ultra 5 125H 9294pts
AMD Ryzen7 7730U 9062pts
インテルCore i5-1340P 8910pts
AMD Ryzen7 5825U 8642pts
インテルCore i7 1355U 8540pts
AMD Ryzen 5 7530U 7303pts
インテルCore i5 1335U 7164pts
*実際に計測した中で最も高いスコアを掲載

CPU(マルチコア)のスコアは10865pts。他のCore Ultra 7 155H搭載モデルで計測した数値を若干下回りました。

負荷が中程度のゲーム「ファイナルファンタジー14 漆黒の反逆者」のベンチマークソフトの結果は次のとおり。

画質 解像度 スコア/評価
最高品質 1920×1080 10843/非常に快適

重い負荷のかかる「ファイナルファンタジー15(FF15)」ベンチマークの結果は次のとおり。

画質 解像度 スコア/評価
軽量品質 1920×1080 8572/快適
標準品質 1920×1080 7561/快適
高品質 1920×1080 5551/やや快適

負荷がかかるゲームもある程度快適に処理できるという結果が出ています。

グラフィックス 3DMarkベンチマーク
Fire Strike
グラフィックスのスコア
NVIDIA GeForce RTX 4080 Laptop 29375
NVIDIA GeForce RTX 4070 Laptop 25852
NVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop 24794
NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop(レビュー機) 13303
NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti 12674
NVIDIA GeForce RTX 3050 Laptop 12247
NVIDIA GeForce RTX 3050 with Max-Q design 10924
NVIDIA GeForce GTX 1650 9185
インテル Arc A370M(外付け) 7991
インテル Arc (Core Ultra 7 155H内蔵) 7707
インテル Arc (Core Ultra 5 125H内蔵) 7240
NVIDIA GeForce GTX 1050 Ti 6555
インテルIris Xeグラフィックス(CPU内蔵タイプ) 4247
*実際に計測した中で最も高いスコアを掲載しています

3DmarkのFireStrikeベンチマークの結果はこのとおり。

CPU内蔵タイプのインテルArc、GTXシリーズ、RTX3050よりもスコアは上ですが、 上位モデルRTX4060のスコアとは結構差がある印象です。

ネットを見る/動画を再生するなどの一般的なタスクはもちろん、描画処理能力が必要な動画編集などの作業もある程度快適に処理できると思います。

負荷のかかる作業がメインではなくて、価格を重視したい場合には、描画処理能力は落ちますがインテルArc CPU内蔵グラフィックス搭載モデルを選んだ方がいいでしょう。

7)特徴/使い勝手をチェック

Spectre x360 16-aaの特徴をチェックします。

搭載している端子類

搭載している端子類は次のとおり。

  • HDMI 2.1 出力端子 ×1
  • USB Type A 10Gbps(電源オフUSBチャージ機能対応)×1
  • Thunderbolt 4 with USB4 Type-C 40Gbps ×2 (Power Delivery、DisplayPort2.1、電源オフUSBチャージ機能対応)
  • ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート×1

先代モデルにはMicroSDカードリーダーが搭載されていましたが、本モデルは非搭載です。

【搭載しているUSB端子の種類と配置場所】
USB端子 最大転送速度 個数/場所
USB Type-A 10 Gbps 1個/左側面部
Thunderbolt 4 with USB4 Type-C 40 Gbps 2個/左側面部

USB端子は、Type-A端子が1つ、前後の向きのないType-C端子が2つの合計3つ搭載されています。

USB Type-C 本モデルでの対応 特徴 備考
Alt Mode-DisplayPort 外部映像出力可能 Alt mode対応のUSB Type-Cケーブル必要
PowerDelivery対応 受給電可能 高速充電可能

Thunderbolt 4

最大40Gbpsで転送可能 Thunderbolt 4対応機器と接続する必要あり

USB Type-C端子は2つともThunderbolt 4に対応しているため、対応器機に接続すれば最大40Gbpsという速度でデータのやりとりを実行できます。

またDisplayPortにも対応しているため、外部に映像を出力するのにも使用可能です。PowerDeliveryにも対応しています。

映像出力

映像出力端子としてHDMI端子を搭載。さらに2個搭載されているUSB Type-C端子の両方ともDisplayPortに対応しているため、外部映像出力端子として利用できます。したがって合計3つの映像出力端子を利用可能。

27インチモニタにUSB Type-C端子経由で外部出力してみました。

Type-C端子を使って映像出力する場合、対応するモニタを用意できるのであれば、

USB Type-Cケーブル1本接続するだけで外部映像出力に加え、充電も実行することができて大変便利です。

Type-C端子経由で4Kモニタに接続したところ、4Kの解像度で出力することができました。

本モデルに搭載されているHDMI端子、さらに2個搭載されているUSB Type-C端子にそれぞれモニタを接続したところ、

4画面同時出力することができました。

ペン同梱

Spectre x360 14にはアクティブペンが標準で同梱されています。

2-in-1ノートPCのためタブレットスタイルやスタンドスタイルのときに、絵を描いたり、文字を書いたりするときに便利です。筆圧は4096段階。

右側面部に磁石があるため装着可能です。

結構強力に張り付くので、そのまま持ち上げて動かしても、落下してしまうことはありませんでした。

右側のパームレスト部分に引っ付けることも可能。

同梱されているケーブルで充電できます。

Webカメラ

本モデルには約900万画素のWebカメラをディスプレイの上に搭載。先代モデルが約500万画素でしたので、性能アップしています。

Webカメラで撮影した写真。高画質のカメラなので、綺麗に撮影できる印象を受けました。

多彩なセキュリティ機能を搭載

指紋認証・顔認証センサーを標準で装備。セキュリティを高めることができるうえ、ログイン時の手間を省けます。

指紋認証センサーは、キーボード右上の電源ボタン上に配置。

カメラオフボタンも搭載。

F2キーを押せば、ワンタッチでカメラのオン/オフの切り替えが可能。

すぐにカメラに蓋をすることができるのは便利ですね。

マイクミュートボタンも搭載されています。

F9キーでオン/オフの切り替えが可能です

自宅でWeb会議中に誰かが訪問してきたときなど、即座に映像・音声をオフにできるので便利。

人感検知のカメラ拡張機能を採用しているため、離席時に画面を自動的にオフにしたり、席に戻るとすぐに起動したり、背後の人影を検知してぼやかし通知を出したりすることが可能です。

Poly Studio のサウンドシステムを採用

先代モデルはBang&Olfsenのサウンドシステムを採用していましたが、本モデルでは、Poly Studioのサウンドシステムを採用。Polyは会議オーディオソリューションを得意としており、2022年11月にHPに仲間入りしたそうです。

スピーカーがキーボードの左右と

底面部の前面部寄りの左右に配置されたクアッドスピーカーシステムを採用しています。

実際に音楽を聴いてみましたが、非常にクリアなサウンド。

4つのスピーカーから音が奏でられるので、広がりがあり、包み込まれるような感じです。思っていた以上に艶のある音質だったので、とても楽しめました。

OMEN Gaming Hub

本モデルはゲーミングPCではありませんが、HPのゲーミングシリーズOMENで利用される「OMEN Gaming Hub」ツールが同梱されています。

「システムモニター」画面で、CPU/RAMの使用状況、ストレージ容量、ネットワーク状況などを一目で確認できます。

バッテリ駆動時間

HP Webサイトの製品ページのスペック表にはバッテリ駆動時間がインテルArc搭載モデルで最大13時間、NVIDIA GeForce RTX4050搭載モデルで最大10時間30分と記載されています(MobileMark 25にて計測した数値)が、実際に計測してみました(レビュー機はNVIDIA GeForce RTX4050搭載モデル)。

[設定]
ディスプレイ輝度:80/電源モード:バランスに設定した状態
条件1)基本的に何もしない
条件2)YouTubeの動画を標準サイズで再生しつつ、Web閲覧/テキスト入力などの操作を行う

条件1
条件2
1時間経過したときのバッテリ使用量
10%
13%
推定バッテリ駆動時間
約10時間
約7.7時間

*バッテリ駆動時間は、構成/使用状況等によって大きく異なると思うので、あくまで参考程度にしてください。

*推定バッテリ駆動時間は1時間経過したときのバッテリ使用量をベースに単純計算で算出

条件1の何もしない状態で約10時間、条件2の動画再生した状態で約7.7時間バッテリが駆動する計算です。

ベンチマーク実行時の排熱・騒音

ベンチマーク実行時の排熱・騒音の状況をチェックしてみました(マシン構成・使用する環境に応じて排熱・騒音の状況は異なる可能性があります。また個人的な感想なので、あくまで参考程度にしてください)。

【排熱】

熱についてですが、一般的な使い方をしているときはほとんど熱を感じません。

ベンチマーク実行直後、底面部の通気孔部分、さらには底面部の前面部寄りが少し温かくなりますが、熱くはないです。

また背面部の通気孔近くのキーボード上部およびパームレスト部分も少し温かくなりますが、こちらもすごく熱い、と感じることはありませんでした。ボディ全体に熱を伝えることで、温度を下げている印象です。

【騒音】

ファンの音をスマホの騒音計アプリで計測してみました(スマホのアプリなので数値が正確ではない可能性があります)。

ネットを見るなど一般的な使い方をしているときは18dB程度ですごく静か。ほとんどファンの音が聞こえてきません。

FF15ベンチマーク実行時、30dB程度で、ファンの回転音が少し聞こえてきます。静かな環境でちょっと耳障りに感じる程度。

ベンチマーク実行中、大きな負荷がかかると一時的に35dB程度まで上昇します。このときはちょっとうるさく感じますが、あくまで一時的で長い時間続くことはありませんでした。

(あくまで使用した範囲における個人的感想です。騒音・熱の状況は、 マシン構成/使用状況/負荷等によって異なるので参考程度にしてください)

WiFi6E対応

WiFi6Eに対応。WiFi6E環境を構築していれば、通信の安定性が増すほか、より高速なワイヤレス通信が可能になります。

8)各パーツをチェック

Spectre x360 16-aaの各パーツをチェックします。

ディスプレイ

Spectre x360 16-aaは、16.0インチパネルを搭載。

14インチパネル搭載のSpectre x360 14-euと並べてみました。右が本モデルです。

主なスペックは次のとおり。

  ディスプレイ詳細
パネル 16.0インチ/OLED/16:10
最大解像度 2.8K(2880×1800)
光沢/非光沢 ブライトビュー
アンチリフレクションコーティング仕様
タッチパネル タッチパネル
輝度 400nit
色域 DCI-P3 100%
リフレッシュレート 120Hz
【OLEDパネル】

OLED(有機EL)パネルを搭載。非常に色鮮やかな表現が可能

OLEDパネルの主なメリット/デメリットは次のとおり。

  • 高画質
  • 黒をしっかり表現できる
  • レスポンスが速い
  • 焼き付きが発生しやすい

黒い部分もしっかりめに描写可能。

色の描写が美しく、黒が引き締まって見えるので、映像も堪能できると思います。

視野角は広め。

【16:10のパネルを採用】

アスペクト比(パネルの縦横比)は、一般的なモデルの場合16:9ですが、このSpectre x360 16-aaでは、16:10のパネルを採用しており、縦に広く表示できます。

【2.8Kパネル】

最大解像度は、2.8K(2880×1800ドット)のパネルを搭載。一般的的なフルHDの解像度(1920×1080)と比べて精細感の高い表示が可能です。

文字の表現も滑らか。

【アンチリフレクションコーティング】

本モデルには、AR(アンチリフレクション)コーティング仕様のパネルを採用。鮮やかな描写を実現しつつ、反射を抑えるという、光沢パネルと非光沢パネルのいいとこ取りを可能にしています。

室内で普通に使っているときは、あまり映り込みが気になりませんでした。画面が黒ベースの表示のときに、ちょっと自分の顔が写り込みますがあ、個人的にはほとんど気にならないですね。

照明など強い光があたるとにぶく反射する感じ。光沢パネルのようなギラギラした反射は感じないです。

パネル 特徴
光沢パネル ○鮮やかな画質で楽しめる
×映り込みが発生しやすく、目が疲れやすい
非光沢パネル ○映り込みが発生しづらく目への負担を軽減できる
×光沢パネルに比べて鮮やかさに劣る
×表面がざらざらしているのでペンが摩耗しやすい
★ARコーティング仕様 光沢パネルと非光沢パネルのいいとこ取り。
鮮やかな画質を実現しつつ、反射を抑える ペンが摩耗しにくい
【タッチパネル搭載】

2-in-1タイプPCのためタッチパネルを採用。指による直感的な操作が可能です。ペンも利用できます。

【輝度】

輝度は400nit。一般的なパネルの輝度は300-350nitなので、ちょっと明るめのパネルを採用しています。

【色域】

広い色域を表現できるデジタルシネマの規格DCI-P3のカバー率100%を実現し、広い色範囲を表示することができます。つまり、一般的なモニタよりも、多くの色を表現できるため、豊かな色調を楽しめます。

色域の狭いパネルを搭載した14インチノートPCを並べてみました。上の画像の右がレビュー機。色域が狭いパネルは暖色系が黄色っぽく表現されていますが、本モデルではより忠実に色を再現できています。

【リフレッシュレート】

リフレッシュレートとは、1秒間に画面が何回書き換わったかを計測する値です。Hz(ヘルツ)によって示され、1秒間に60回書き換わると60Hzと表現されます。リフレッシュレートが低いとチラツキが生じたり、映像が滑らかに表現されない、などの問題が生じます。

一般的なモニタのリフレッシュレートは60Hz。本モデルは120Hzのため、より滑らかな映像を楽しめます。

動きの速いゲーム画面を見ているときに、非常に滑らかに動くので、見ていて楽しいですね。

キーボード

キーボードについて見ていきます。テンキーは非搭載。

半角/全角キーがちょっと小さめ。

Enterキーもそんなに大きくありませんが、

押しづらさは感じませんでした。

リフトヒンジではないのでキーボードに傾斜はありません。傾斜がある方が ちょっと打ちやすいんですけどね。

キーストローク(キーを押し込む深さ)は1.5mm。非常に深い、という感触はないですが、浅すぎる感じもしないです。

強くキーを押すと少しボディがたわみますが、 タイピング時にすごく気になることはありませんでした。

打鍵感は柔らかめ。軽く押せば反応してくれます。個人的にはもう少し硬くて反発があるほうが好きかな。打鍵音は標準的な大きさ。

キーボードのキーピッチは約 約19.0×18.4mm、キーストロークは約1.5mm。フルサイズのキーピッチ(19mm)と同程度のキーピッチを確保しているため、窮屈な感じはありません。

キーボードにはバックライトを装備。

F5キーでバックライトのオン/オフの切り替え、2段階の明るさの設定を実行可能です

タッチパッド

タッチパッドはクリックボタンが一体となったタイプ

非常に大きいです。タッチパッドを触った感触は滑らか。心地よく指を動かせます。思ったところにポインタをスムーズに移動することが可能。

クリックボタン部分ですが、押し込み幅はちょっと浅め。軽く押すだけで反応してくれます。しっかり押し込まなくてもいいので、軽快に操作できますね。クリック音は小さめ。カチャカチャという耳障りな音がほとんどしません。

左側面部

USB Type-A端子、ヘッドホン端子を搭載。

角にヘッドホン端子が配置されています。

左側面部のすべての端子類にケーブル・デバイスを接続したところ。

右側面部

右側面部。USB Type-C×2とHDMIを配置。

1個のUSB Type-C端子は、角に配置されています。

右側面部のすべての端子類にケーブル・デバイスを接続するとこんな感じ。

角の端子がある部分はくさび形になっており、

USBデバイスが大きいと接続できないケースがあるのでご注意ください。

左右の側面部のすべての端子類にケーブル・デバイスを接続してみました。

前面部

前面部に端子類は配置されていません。指を引っかけやすいので、カバーを開けやすいです。

背面部

左右にヒンジが配置されているほか、

中央下に通気孔が配置されています。

底面部

通気孔が配置されています。

9)同梱物をチェック

Spectre x360 16-aaの同梱物をチェックします。

ACアダプタと電源ケーブル。

NVIDIA GeForce RTX4050を搭載した本モデルには 140W型のACアダプタを同梱。

ACアダプタは片手でぎりぎり掴めるぐらいの大きさです。

厚さはこんな感じ。

ちなみにイベントに展示されていたCPU内蔵タイプのインテルArcグラフィックス搭載モデルの ACアダプタは、消費電力が小さいためか100W型のタイプが接続されていました。

本モデルのACアダプタに付いているケーブルは、一般的なものよりもちょっと太め。 少し取り回しがしづらい印象です。ストッパが付いているのでアダプタに巻きつけることが可能です。

電源ケーブル。

接続端子には、USB Type-Cを採用。

右側面部に配置されている2つのType-Cのいずれに接続しても充電できます。

ACアダプタと電源ケーブルを合わせた重量は489g。

本体を合わせた重量は約2.5kg。

本モデルには、コンセントのみのパーツも同梱されています。

ACアダプタとコンセントのみのパーツを合わせた重量は424g。

本体を合わせた重量は約2.436kgです。

ホワイトカラーの綺麗な梱包箱に納まった状態で送られてきます。

まとめ

以上、Spectre x360 16-aaの特徴について解説しました。まとめると次のとおり。

Spectre x360 16-aaの特徴

  • 16インチディスプレイ搭載
  • 2-in-1タイプのノートPC
  • インテルCore Ultraプロセッサ搭載
  • NVIDIA GeForce RTX4050グラフィックス搭載モデル選択可能
  • 2.8Kの高精細なOLEDパネル搭載

16インチという大きめのOLEDパネル搭載した2-in-1タイプのPC。

インテルCore Ultra 7プロセッサを搭載しているほか、NVIDIA GeForce RTX4050搭載モデルを選択でき、描画処理能力が必要なタスクも、ある程度快適に処理できる構成を選べます。

角が切れた特徴のあるデザインですが、質感は高めなので、使っていて満足度は高いと思います。

価格が少し高めに感じますが、本モデルは、HPの最上位モデルでデザイン・性能・使い勝手に妥協していないので、そこに魅力を感じる人向けです。

動画/画像編集などの負荷のかかりやすいクリエイティブワークを快適に処理したいと考えており、性能は重要だが、デザイン・使い勝手も大事と考えているのであれば、本モデルのNVIDIA GeForce RTX 4050グラフィックス搭載モデルは非常に有力な選択肢になると思いますね。

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(更新日:2024年4月4日)